「名前」というタイトルを考えると「人の名前」だけの事かとおもうけど、昆虫・花・山・猫・犬・風・この世のものも、あの世のものも、ありとあらゆるものに名前をつけるのが人間です。付けなきゃいられない・付けなきゃ気持ちが悪くなるのだろう?人の名前は姓名判断という立派な学問もある。本書のなかの一編で作家・佐藤愛子(1923年~ )は自分の名前は姓名判断的には最悪の名前でだそうです。異母兄弟との一つ家の暮らし。二度の結婚と離婚・勝気の性格が借金を背負う生活になる。姓名判断的には一つも良い事はない人生なのですが、小説家の佐藤愛子という視点からみてみると「アンタは良いわよね。家族の生活をそのまま書けばいいから小説のネタには困らないね」と他の作家から言われたようです。波乱万丈の暮らしを、どういう視点で見つめているかで、その人の人生が変わってくる。不思議な気持ちにさせあられる。「なるほどなぁ」と眼を洗われるような随筆です。
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