2025/05/26Wednesday
行旅死亡人(コウリョウシボウニン)とは、病気・行き倒れ・自殺等で死亡が確認されたが住所・氏名・年齢・誰だか身元が分からない人を表す法律用語。
本書の存在を知ったのはネット記事で興味を魅かれたからです。
アパートに40年住んでいてた人が孤独死をした。死亡に事件性は無いと証明されている。
年齢は75歳の女性で身長133センチ・金庫から現金3400万円が警察の立ち合いで見つかった。
そして右手指がすべて欠損。名前と住所が書いてある年金手帳(年齢がわかる)もあった。
右手が無くなっているので治療カルテは有ったが本籍地が書かれていないが分からない。
労災保険料の申請書がアパートから出てきたので、申請はされていない。どうして申請しないのだ。申請すれば1000万円以上はもらえたはずだ。その事故があった工場は無くなっていた。アパートには電話があった。
こんな確実に分かっているのに、どうして身元不明の行旅死亡人となっているのか?
この老女の住民票が無い。なんらかな事情で職権消除(役所が自らの権限で住民票を削除)
このアパートの女性の大家さんは1階に住んでいて、毎月現金で手渡しでもらっていた。
賃貸契約書は男の人の名前で契約されていて、勤務先も書いてある。しかし勤務先の会社は無くなっていた。大家さんは「そんな男の人は、一度も見た事も無い」
契約書を交わしたのは現在の大家さんの旦那(数年前に亡くなっている)さんが行ったので、詳しい経緯は知らない。
何故こんなに情報があるのに、何故身元がわかない?
34821350円と通帳2冊、本人と思われる記念写真(一人だけ)契約した男性と思われる男の人の写真(一人だけ)
それで警察・弁護士が雇った探偵が徹底的(生活すれば、領収書があるはずなのに1枚も存在しない。意図的に捨てたのか?)に調べた。地元の商店街でもこの老嬢を見たことが無い。どこへ買い物へ行っていたのか?どいう暮らしをしていたのか不明。
本書は、この行き詰った状態で行旅死亡人の身元を共同通信大阪社会部の二人が偶然にも恵まれて、丹念に調べていく、平易で分かりやすい文章で老婆の生い立ちを探ってゆくドキュメンタリーです。そして意外な物から身元が分かっていくのですが・・・何ぜ、この老嬢は旅死亡人になるような生き方を自ら望んでしてたのか?この老婆が生きているときに「人生の声」を聴けれないのが残念です。
PS 記事として取り上げるという上司の許可がない時には取材費は自腹だそうです。そうね初めから記事になるようなものは新聞やニュースで取り上げている。記事になるかならないかわからない物を追いかけているから!やっぱり世の中はきびしいね!
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